女性用の避妊薬として日本でも知られるようになってきたアフターピルの存在。デリケートな話なので大きな声でワイワイと話し合うようなことではありませんが、親しい友達と食事をしたり、女子会などでは密かに話題になることもあります。望まない妊娠をしたことで傷つくのはいつも女性です。妊娠を望まないなら堕胎すればいいという時代ではありません。堕胎は女性の体も心も大きく傷つけます。
そんな女性たちを救うために開発されたのがアフターピルなのです。女性にとって救世主となる薬ですが、まずはその副作用について事前に調べておきましょう。そのほか、どんなタイプのアフターピルがあるのか、誰にも知られたくないけれど購入が可能なのか、お金はどのぐらいかかるのかなど、アフターピルを手にする前に気になることをひとつずつ解決していきます。
アフターピルにはどんな副作用があるのか
人それぞれ体質が違いますから、同じ薬を飲んでも副作用が出る場合と出ない場合があります。ここではもしもアフターピルを飲んだ場合どんな副作用が考えられるのか説明していきます。
報告されている副作用には、一時的におなかが痛くなる場合や、気持ち悪くなることがあると言われています。副作用が強い人は気持ちの悪さに絶えきれず、飲んだ薬を吐いてしまう人もいますが、薬の効果がなくなってしまうので最低でも2〜3時間は我慢する事が必要です。
アフターピルは短時間に体内に大量の女性ホルモンを投与することを意味します。一時的に体内のホルモンバランスを崩すことで強制的に生理のような症状を起こさせて避妊をさせます。そのため、生理の時に似た症状が副作用として現れるのです。
また、副作用はLNG法よりヤッペ法を用いて避妊した方が多いとも言われています。
例えばヤッペ法の場合、副作用を感じたと報告した方は服用した方のおよそ60%、LNG法の場合は7%と、大きな開きがあることが分かりました。これを踏まえて考えると、初めて服用する方はLNG方のほうが安心かもしれません。これまでヤッペ法を使用していた方の中で副作用を強く感じていた方も、体質に合うのであればLNG法を選択したほうがいいかもしれません。どちらにしても、副作用が出ている場合は専門医による診断が必要になるので、近くの婦人科などで診察を受けてください。
副作用が出た場合、それがいつまで続くのか気になります。アフターピルを飲んでから副作用が出るまで、およそ2〜3時間と言われていて、その症状は1日経てば収まるといいます。もちろんこれはあくまでも目安です。体調が思わしくない、ちょっと心配だという場合はすぐに病院で診察を受けましょう。夜間は救急病院であれば見てもらえるので我慢する必要はありません。
そのほか気になる問題点
緊急避妊薬として話題になっているアフターピルですが、まだまだ気になることがたくさんあります。例えば確率的にはどのぐらい信用できるのかということです。アフターピルを服用した場合、避妊効果を数字で表すとおよそ97〜99%と高い数値を持っています。安全日だと思ってうっかりしていたとか、コンドームを使ったけれど性行為のあと破れていたことに気づいたなど、避妊できなかったと感じた場合に服用したいという女性が増えているのも納得です。
また、どのぐらいお金がかかるのか気になるところですが、例えばヤッペ法の場合は費用の相場がおよそ6,000〜7,000円となっています。ノルレボ錠の場合は3,000〜15,000円前後が相場となっています。
そして若い世代の女性ならとくに気になるのが両親のことです。アフターピルは悪い薬ではありません。事前に妊娠を回避するための薬です。しかし、女性の多くは飲んでいることを親に知られたくないと考えています。確かにちょっと気恥ずかしい気もしますが、最初に病院で診察を受けるときも、通販で購入する際にも、一人暮らしなら親に知られるようなことはありません。
病院で診察を受けるとき、アフターピルは保険適用外なので保険証の記録に残ることはありません。そのため一緒に暮らしている場合でもバレる心配はないでしょう。近所の婦人科だと顔見知りに会う可能性も考えられるので、もし誰にもバレたくない場合は車やバス、電車を使ってちょっと遠くても離れた婦人科を選ぶといいかもしれませんね。しかし、副作用がでて気分が悪くなったときはバレる可能性が少なからずあるかもしれません。
服用後に出血したら避妊成功?
妊娠を回避するために女性にとって味方となるアフターピル。体質によっては副作用の心配もありますが、病院でしっかり診察を受けること、副作用が出た場合はすぐに服用をやめて病院で診察を受けること、これらを守れば安心ではないでしょうか。
そしてちょっと気になる出血のことですが、アフターピルを服用した後に出血があったとき、それが排卵による出血なのか、それとも着床したことによる出血なのか心配になりますね。
通常、体の健康が保たれていれば一ヶ月に一度生理があります。しかし、場合によっては不正出血が起こることもあるのです。先ほど話したように排卵のときに少量の出血があったり、受精卵が子宮内膜に着床したときに起こる出血です。これらは不正出血と呼ばれていますが、通常の生理と違うのは「量」です。不正出血の場合は血の量が極端に少なく、通常の生理と違うことが明らかです。
ところがアフターピルを飲んだ場合、それが生理なのか不正出血なのか判断が難しいと思うかもしれませんが、普段から排卵出血などの不正出血がない場合は、アフターピルを飲んで出血があった場合は生理と判断できるようです。トータル的に見て、薬を正しく服用したことで出血した場合、避妊が成功したと判断できるようです。どうしても気になる、心配になる場合はかかりつけの婦人科で相談してくださいね。
女性が自身の体と心を守るために
女性にとって避妊はとても大事な問題です。パートナーとなる男性も同じように考えてくれているかどうか、相手が将来的に生涯のパートナーとしてふさわしいかどうか判断材料のひとつになるかもしれません。
望まない妊娠なら堕胎すればいいと考えるのは大きな間違いで、堕胎は女性の体に必要以上の負担を与えます。体だけではなく心の傷として残ることも珍しくないのです。そのため、妊娠を望まないならコンドームなどの避妊具を使うことが大事なのですが、場合によっては避妊に失敗してしまうことも考えられます。
万が一の事を考えることは心配性でもなんでもありません。万が一に備えておくことは女性にとって大事なことなのです。妊娠を望まないのであればそれに見合った生活を送ることが大事です。避妊について、さらにはアフターピルについて、どちらも恋人や夫と一度話し合ってみてはいかがでしょうか。女性が一人で悩む時代ではありません。男性も女性のことを本当に大事に思っているならば、女性一人に任せっきりにはしないでしょう。
アフターピルの特徴をご紹介
アフターピルは女性専用の避妊薬です。飲むことで避妊できるとはどういうことなのか、ちょっと不思議に思いますね。まずは妊娠の仕組みから話します。性行為をして卵子と精子が交わって受精卵となったとき、その受精卵は子宮の内膜に着床します。無事着床すれば妊娠したことになります。
アフターピルは、この受精卵を子宮内膜に着床させない働きをもたらしています。そのため、妊娠する前に妊娠することを回避すると解釈すると分かりやすいでしょうか。アフターピルを飲むことが堕胎のようなイメージがあると語る女性もいますが、これはまったく違います。堕胎とは妊娠した状態から中絶するという手術ですが、アフターピルは妊娠前に妊娠させないという働きをもたらすので、どちらもまったく違うことを理解しておきましょう。大人の女性として自分の体を守るためにアフターピルは心強い味方になります。副作用などの危険性も熟知した上で服用しましょう。
アフターピルには2種類ある
アフターピルを服用するにあたって、いろいろ気になることが出てくると思います。たとえばアフターピルにはどんな種類があるかということです。緊急避妊法として今日本で承認されているのは、1970年に開発されたヤッペ法と、2011年に承認されたレボノルゲストレル(LNG法)です。ピルを正しく使うためにも、この二つを理解しておきましょう。
まずはヤッペ法についてですが、こちらは妊娠を望まない、避妊に失敗したと感じた場合、決まった時間に中用量ピルを飲む方法です。緊急避妊法として性行為のあと72時間以内に服用して、さらにそこから12時間後に同じ量を服用します。これがピルのヤッペ法です。
次にLNG法についてですが、こちらは性行為のあと72時間以内にレボノルゲストレルを服用する方法です。性行為のあと72時間以内にノルレボ錠を服用すれば避妊確率は高いとされています。72時間以内に服用できなかったとしても、可能性として120時間以内であっても有効な場合があると言います。そうはいっても、妊娠を回避したいのであれば早めに飲んだほうがいいでしょう。どちらの方法でも自分の体に合うか合わないか心配だと思いますが、予め副作用に関する知識も確認しておくといいでしょう。