性行為に夢中になっていると、コンドームがどんな状態なのか確認することもないでしょう。そのため、性行為が終わってはじめて、コンドームが破れた!と焦ることもあります。それまで二人で盛り上がっていたところ、一気に焦ってしまいますね。
妊娠を望んでいるならそれでもかまわないかもしれませんが、コンドームをつけているということは避妊したい方がほとんどです。当然ですが破れてしまったら妊娠してしまう可能性があります。一瞬でムードががらりと変わってしまうでしょう。もしも妊娠したらどうしよう、そんな方にぜひ知っておいてもらいたいお話をご紹介します。
キーワードは「アフターピル」です。男性にも女性にも知っておいてもらいたい医薬品です。妊娠を望まないのであれば、常時ストックしておくことをおすすめします。
コンドームがもしも破けていたらどうする?
幸せな気持ちに包まれて二人でまったりしていると突然訪れる大問題、「コンドームが破れた!」これには男性も女性も真っ青ではないでしょうか。元々妊娠してもOKな関係、状況であれば問題ありませんが、そうではない場合、一大事とも言える出来事でしょう。
慌ててしまいますが、そんなときこそ落ち着いてください。まず慌てても避妊できるわけではないので、このあとどうしたらいいのか冷静に判断します。思わず我を忘れてケンカになってしまうかもしれませんが、そこはどうか落ち着いて。性行為も避妊も二人の問題です。二人で解決しなければなりません。
ここで知っておいてもらいたいのが、避妊に失敗したときに対処する方法があるということです。そのカギを握るのが「アフターピル」です。これは女性が服用する薬なのですが、別名緊急避妊薬とも呼ばれています。コンドームが破けたことで慌ててしまうかもしれませんが、そんな状況を救ってくれる薬があることを覚えておいてくださいね。
女性がアフターピルを飲んだほうがいいってホント?
アフターピルというのは、緊急避妊薬とも呼ばれています。これは性行為の後に女性が服用するもので、避妊に失敗したり、望まない妊娠をしてしまった可能性があるときなどに服用することで妊娠を回避できます。
ここまでの話を聞くと、もしかして薬を飲んで堕胎させる? と心配になる方もいるでしょう。ご安心ください。この薬は堕胎させるための薬ではなく、そもそも妊娠させないための薬なのです。
妊娠とは、受精卵が女性の子宮の中に着床することです。着床するのが子宮内膜と呼ばれているもので、これは一ヶ月に一度剥がれては再生し、剥がれては再生し、を繰り返します。この子宮内膜に受精卵が辿り着く前に剥がす作用をもたらすのがアフターピルなのです。ですから、妊娠を不可能にさせる状況を作るということです。堕胎ではないのでご安心を。
ですから、もしもコンドームが破れたことに気づき、妊娠を望んでいないのであればアフターピルを服用したほうがいいでしょう。
アフターピルにはどんな種類があるの?
緊急避妊薬として女性たちが服用するアフターピルですが、どんな種類があるのか気になるところでしょう。コンドームが破れたという緊急事態を早くなんとかしなければいけませんからね。
聞きなれないかもしれませんが、アフターピルには「ヤッペ法」と「LNG法」があります。まずはヤッペ法からお話します。こちらは中用量ピルのプラノバールという薬を、性行為から数えて72時間以内に服用する方法です。まずは72時間以内に2錠、そのあと12時間以内に2錠、という流れで服用します。必ず2回服用することが大事です。
もうひとつがLNG法ですが、こちらはノルレボ錠といって緊急避妊用に開発された薬です。性行為から数えて72時間以内に一度服用すればいいだけなので、飲み忘れが無いという安心感があります。万が一ヤッペ法で飲み忘れた場合、妊娠する確率が高くなってしまうため一度目の服用が無駄になってしまいます。2016年の4月に登場したという新しいタイプのLNG法はこれから主流になってくるだろうと言われています。
アフターピルを飲む前にその効果をチェック
コンドームが破れた状態で避妊が失敗したと気づいたとき、愕然としてしまいますね。そんなときこそアフターピルの効果を知っておくと男性にとっても、女性にとっても助かるというわけです。
なぜアフターピルが緊急妊娠薬として広まってきたのかというと、やはりコンドームなどの避妊具を使って避妊を失敗するケースがあるためです。それ以外にも、安全日だと思っていたけれど実は安全日ではなかった! それなのに中出ししてしまった! 妊娠を望んでいないのなら本当に焦ってしまう場面ですね。
そんなときの救世主がアフターピルです。性行為のあと72時間以内に女性が服用することで妊娠を回避できますが、その仕組みが気になります。72時間以内に飲めばいいという話でありますが、もちろん早く飲めば飲むほど妊娠の確率は低くなります。もしも手元にアフターピルがあるのなら、避妊に失敗したと気づいたとき、すぐに飲むことが良いでしょう。
もしも受精卵が出来ていた場合、それが子宮内に着床する前にアフターピルを飲めば、受精卵の寝床となる子宮内膜を剥がすことができるため、妊娠を回避することができるのです。子宮内膜が剥がれたものが毎月やってくる生理(経血)となって体の外に排出されます。ですから、飲むタイミングによって3日後ぐらいに生理が始まることもあれば、3週間経ってから生理が来ることもあります。
飲む前に知っておきたい副作用
医薬品ですから、副作用が気になるところです。緊急避妊薬と呼ばれているアフターピル。ネーミングからなんとなく副作用がキツイようなイメージがありますね。先でも話したように、アフターピルには2種類あります。使用する薬は、ヤッペ法の場合はプラバノール、LNG法の場合はノルレボ錠です。
プラバノールの場合、副作用として報告されているのは強い吐き気です。そのため、服用した後に吐いてしまうこともあるため、しっかり薬の作用が働かないことも考えられます。体の中に成分が吸収される前に嘔吐してしまうため、飲んでいない状態と同じになることも。そうなると追加で飲む必要が出てきますが、結局また強い吐き気をもよおしてしまう可能性があります。
ノルレボ錠の場合は、緊急避妊薬として開発されたこともあり、吐き気や嘔吐などの副作用の報告はほとんどないことが分かっています。そのため、薬の成分がしっかり体に浸透するため効果を発揮してくれます。また、一度だけ飲めばいいというのも体にかかる負担を軽減できているようです。コンドームが破れたことで避妊に失敗しても、落胆することはないのです。
膣内をシャワーで洗えば避妊できる?
専門的な知識が無いため、もしもコンドームが破れたときの正しい対処法を知る由もありませんね。都市伝説のように広まっているものの中には、女性の膣内をシャワーで洗えば避妊できるかもしれない、という話です。もちろんこれはただの都市伝説で、膣内をシャワーで洗い流したところで受精卵は流れていきません。
射精してすぐなら大丈夫?という声も聞こえてきますが大丈夫ではありません。膣内をシャワーで洗い流して避妊することはできないのです。避妊をあまく考えてはいけません。もしもコンドームが破けたり、ずれてしまったりしたことで避妊に失敗したのであれば、やはり緊急避妊薬のアフターピルの服用が一番安心ではないでしょうか。
婦人科を受診して相談すれば、担当医が処方箋を出してくれます。あとは薬局に処方箋を持っていけばいいだけです。受精卵が子宮内に入ることはミクロの世界です。シャワーで簡単に洗い流せるようなことではないことをしっかり覚えておいてくださいね。
コンドームが破れないようにするために
そうはいっても、コンドームを装着することで避妊率は高くなります。簡単に避妊ができる、病気の感染も防げるという意味でも、妊娠を望まないのであればコンドームは必要不可欠です。
そこで、コンドームが破れた!というトラブルを回避するためにも覚えておいて欲しいのは、当たり前のことですが粗悪品を使わないということです。安ければいいというのでは避妊ができません。素材がいいものを使えばそれだけ避妊できる確率を高めてくれます。
そのほか、自分のサイズにあったものを選ぶこと、これも大事です。サイズが大きすぎれば精子が漏れてしまいますし、小さすぎれば破れたことに気づかないこともあります。ゴムは伸縮性があるため大きいペニスに多少小さいサイズのものを使っても伸びてくれますが、程度によって破けてしまうため適正なサイズのコンドームを選んでください。
また、コンドームには使用期限も設けられています。使用期限が過ぎているものはゴムの性質が弱っている可能性が高いので使うのは絶対にやめましょう。
それから装着する場合、勃起した状態で装着すること、コンドームの先に精子が溜まる分の余裕を持たせること、その余裕の部分に空気が入らないようにすること、これを守って装着してください。
これらをすべて実践すればコンドームが破れる心配は少ないでしょう。アフターピルは、あくまで万一の時に頼るものと考えておいてくださいね。